影絵の陶酔。遠い記憶の原風景

現実の「記録」より作られた「記憶」の方が陶酔感と覚醒感を齎す不思議・・・この海辺も現実の風景ではなく、空想少年が見た夢の風景です。 聞こえてくるのは絶えまない潮騒の音だけです。やがて「打ち寄せる波の感覚」「吹き寄せる潮風の感触」「微かな潮の香り」に包まれます。「原風景」の至福です。M.プルーストも小説「失われた時を求めて」で、紅茶の香りから、少年時代の懐かしい体感の記憶が入道雲のように次々と湧き起こる至福を描いています。「原風景」は脳を酸素で満たすために人類が獲得した最も優れた本能かも知れません。→ こちらからは懐かしい抒情歌が聞こえます。