NHKのドキュメンタリー番組「映像の世紀」は間違いなく世界映像資産No.1クラス。特に「第５集”世界は地獄を見た”」は戦争の狂気そのものです。映像はナチスの狂気だけでなく、そのナチスを選んだドイツ人が住むドレスデンへの連合軍による無差別爆撃も、冬将軍に苛まれるスターリングラード攻防戦も余すところなく伝えています。「ここで起こったことは私にも、他の人達にも起こり得る」連合軍兵士の言葉が重くのしかかります。時と場合によっては誰もが被害者にも加害者にもなり得る・・・戦争の怖さとは「強い独裁者」ではなく「弱い大衆」が狂気にとり憑かれる怖さです。そんな魔性に気づくサウンドと覚醒動画です。衝撃を和らげるため半分は陶酔の原風景動画です。

　陶酔と覚醒。映像の虚像性
これは1827年、J・ニエプスによる世界最初の写真です。ピンホールから差し込む光が平面に結んだ像を化学的に固定することに執念を燃やした結果です。この光の虚像性・反転性に気づくと写真の見方が変わります。