最新の脳科学は我々の見ているのは網膜に映る「外界の風景」ではなく、様々なバイアスによって脳が「編集した風景」だと教えてくれます。見えないものが見える。見ているのに見えない・・・脳にとっては珍しいことでも何でもありません。幽霊であれ、宇宙人であれ、悪魔であれ、神であれ脳は想像しているものを見ようと手ぐすねをひいています。覚醒する風景を見て脳内にアドレナリンが分泌されたり、陶酔の風景を見てドーパミンが分泌されるのではなく、アドレナリンやドーパミンに「ふさわしい」風景を映し出す細胞の化学変化に過ぎない・・・そんな妖しの動画ギャラリーです。

陶酔と覚醒。映像の虚像性
これは1827年、J・ニエプスによる世界最初の写真です。ピンホールから差し込む光が平面に結んだ像を化学的に固定することに執念を燃やした結果です。この光の虚像性・反転性に気づくと写真の見方が変わります。