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今でこそ全米有数の観光地ケープコッドも、400年前は「飢えた犬が群れをなしてさまよう広い陰気な場所である。地球上で最も興味をそそらない景色である( ヘンリー・デイヴィッド・ソロー)」とさえ言われた荒涼とした半島でした。その印象を決定づけたのは半島の至る所で行く手を阻むクリークに違いありません。あるものは冷たい池に繋がり、あるものは外洋の浅瀬に繋がり、あるものは砂丘の窪地に横たわって雨が降るのを待っています


Capecod/入口 Dune/砂の半島 Pond/彷徨う池 House/安息の家 Lighthouse/灯台
水路の迷宮
「Creekって水路ですよね?日本ではあまり馴染みはないような気が・・・」

「日本では潮来とか柳川とか近江八幡の”水郷”が有名ですが、ケープコッドでは水が染み出してそこに留まっている。ある意味”川”というより”水溜り”・・・海水も入り込んで水路は絶えず変化しています」

「大きな水源はないんですか?」

「そもそも水を蓄える山がない。元々ケープコッドは後退した大陸氷河の名残で今でも堆積と侵食を繰り返している激しい半島なんです。その氷河の残骸が池になって台地に染み込んだ水を集めている」

「日本の小川とは大違いですね?」

「ここでは水溜りが迷路にように這っている。砂の半島なのにあちこちに湿地帯があるという珍しい景観なんです」

「潮来笠を被って櫓をあやつる娘船頭なんて光景はありませんよね?」

「いい着眼点ですね。アメリカ人は何故”情感”が乏しいのか・・・大陸全体が荒々しい自然活動の痕跡で細やかな情感を育む風土・景観はありません。その代わりある種の”透明感”に溢れている」

「透明感?空気が澄んでいるんですか?」

「それもありますが細胞が酸素で満たされる何かです。子供や犬が砂浜を見て夢中で駆け出す。そんな本能を刺激する何かです。生活感に溢れた日本では見られない景観です」