basho katachi jikan gokan
場 所 カタチ 時 間 五 感
何かが起こり、何かが宿る「場所」・・・空襲で破壊された工場跡も、誰も住んでいない廃屋も、日没後の神社も子供にとっては妖怪共が潜む世界・・・想像力は異変を感じ取る力や先を読む力でもあります。
yanaka 営みの痕跡 - 上野・谷中 - 明暦の大火は巨大地下空間を作るためだった?・・・そんな伝説が甦る風景です。時間が静止したように佇むボロボロの廃屋と新型の配送車・・・両者には何の接点もない筈なのにどこか妖しい雰囲気が漂う谷中の路地です。 haneda
何もない風景 - 羽田沖 - 人影もない広大な空間は脳を覚醒させる風景です。時折空港に侵入する「翼を広げた怪鳥」の轟音が通り過ぎると、やがてススキが揺れる元の静寂に戻る。「探偵団」のバイクだけが到達できる「異空間」です。
nichijo 植物の侵略 - 東急都立大 - 建築基準法が生んだ野暮な隙間。植物はそんな人間の「甘さ」を見逃しません。かって木々や草を切り払って作られた建物もやがて植物の逆襲にあって飲み込まれる。ビルの谷間には未来の魔境が息づいています。 yoyogi 日没のキャンバス - 代々木 - 太陽と雲が織りなす「日没」は地球始まって以来、一度もサボルことなく、一度も同じ「配置・配色」がない。その壮大な「自然作品」をうっとり眺めている通行人や乗客はごく稀・・・日常に埋没すると「もったいない」ですよ。
無人の街路 - 久里浜大通 - 人も車もいない道・・・閑静な住宅街の路地ではありません。街の中心から港へ向かう4車線の大通りです。何の変哲もない街が突然見せる「空白の時間」・・・タイムトリップしたような透明な官能に満たされます。 太古の池 - 白金台・目黒 - 樹齢数百年の大木がうっそうと繁る森の中に妖しく横たわる太古の池。時折水面にはじける泡は得体の知れない生物の吐息なのか・・・空想少年の秘密の場所は今も都会のど真ん中に息づいているのです。
大波の咆哮 - Mar Tirreno -ここはPortovenere(イタリー)。詩人のバイロンが「悪魔の風景」と呼んだ真冬のティレニア海・・・想像を絶する大波が岩場に立つ教会を超える。「神の試練」に耐える祈りの風景が日常脳を覚醒させます。 冬の埠頭 - Golfo de Vizcaya -冬のSan Sebastian(スペイン)。どんよりとした空、暗い荒波が叩きつける埠頭に佇んでいつ戻るか判らない情人を待つ黒マントの女・・・映画「フランス軍中尉の女」の一場面です。荒涼の風景は濃密な舞台でもあります。
廃墟の静寂 - 長崎市端島 -ここは長崎の沖合いに浮かぶ高島炭鉱端島抗。日本の近代化を支え、太平洋戦争を支え、戦後復興を支え、やがて見捨てられた炭鉱島・・・人口密度世界一だった島も今は濃密な静寂だけが支配しています。 悪夢の残像 - Belchite - ここはスペイン東部「バルテチ」の街。 1937年、アサーニャ率いる左派人民戦線と、右派フランコの反乱軍によるスペイン内戦により破壊。そのまま時が止まったかのように、現存し続ける歴史の証言場所です。
文明の墓場 - Honduras -世界の海岸には難破してそのまま打ち捨てられた船の墓場が沢山あります。車の墓場飛行機の墓場列車の墓場・・・かって文明の象徴だった乗り物が朽ち果てつつある風景です。 人口物の幻覚 - Bridges -その本来の機能とは別に「見られる」ことを意識した人工物・・・教会や美術館、図書館、議事堂・・・そして最も大きい橋・・・文字通り「夢の架け橋」のような「うっとり」を見せてくれます。
4765年の幻覚 - Inyo Forest -ここはインヨー国立森林公園。世界最古の巨木が佇む。樹齢4765年。氷点下-30度、風速90メートルの極限でゆっくりと成長、水分を通さない不浸透性の高い樹脂が木を守る。最古の生命が作るうっとりです。 デジャヴの風景 - LeMan -ここはパリの南西、ルマンに向かう途中の峠道Fresnay-sur-Sarthe(フランス)。この道は終わることがなく永遠に続くのか・・・それほど単調で何の変哲もない気(け)だるい峠にある筈のない記憶が甦ります。
海へ続く道 - Portvenere -誰もいない坂を下るにつれ懐かしい潮の匂いと波の音・・・いつか駆け足になっている。そんな子供の頃の記憶を呼び覚ますのはPortovenere(イタリー)・・・世界遺産に登録されて観光客が増えたのは残念です。 神々の啓示 - Manzanar -ここはManzanar(アメリカ)・・・写真家のA.アダムスが写し撮った風景です。巨大な岩原の向こうに聳えるシェラネバダの峰々。雲間から地上を照らす後光・・・この世のものとは思えない風景が「神」の存在を啓示します。
模倣する自然 - Arizona -何万年もかけた「風の彫刻」が立ち並ぶMonument Valley(アメリカ)。オスカー・ワイルドなら「自然は芸術を模倣する」・・・日本人なら「まるで絵のよう」・・・深遠な頭より素直な感覚で風景を楽しむ方がうっとりします。 受難の痕跡  - Meteora-長い巡礼の果て、峠を越えると目の前に広がる奇観・・・高さ400mの岩山に建つメテオラ修道院はMeteora(ギリシャ)、ビザンチン時代に迫害を受けたキリスト教修道僧の聖域。祈りの姿にも似て旅人を酩酊させます。
単調な透明 - Sahara -四季に恵まれた日本に住む我々にとって対極にあるのが「砂漠」・・・地球の風景とは思えない。もしや宇宙人も勘違いして着陸するので・・・そんな空想を掻きたてる「うっとり」です。 消失点の酩酊 - Calfornia -どこまでも続く道路・・・水平線が円く見える海原・・・眼を焦点から開放する非日常の「うっとり」です。■水平線の海岸見渡す限りの高原山頂からの風景どこまでも続く道世界一の直線道路
郷愁の情景 - 白川郷 -望郷・懐古・追憶・・・我々の脳は体験の風景ではなく、郷愁を感じさせる創作の風景を見ている・・・行ったこともないのに懐かしいと感じる理由です。■昔の田園風景や里山鄙びた漁村昔の温泉街ローカル線 うねりの風景 -Toscana -まるで大きな波のように連なる丘・・・「うねり」の風景はどこか「ゆりかご」の原始記憶を刺戟する・・・バイクやスキーのうねりにも関係?■トスカーナ北海道富良野砂漠風が吹き渡る麦畑の丘大海原のうねり
幻想の風景 - Finland -「幻想」という言葉には一度嵌りこんだら抜けられない、どこか魔性の香りがします。そんな風景を探します。■霧の風景月明りに浮かぶ峰々オーロラがたなびく氷原幻想の薪能幻想写真館 いつか見た風景 -紀伊本線 -初めての場所なのにこれは「デジャヴュ」か・・・「断片化・象徴化」する記憶の挙動にすぎないのですが脳は酩酊してうっとりします。■トンネル出口日没後の街並み誰もいない午後の田舎道風にそよぐ大木
壮絶美の風景 - Puyehue - 自然が創りだす壮絶な光景・・・凄まじい噴火で発生する雷光はこの世の終わりを告げるかのよう・・・「安全」な場所から地獄垣間見る「うっとり」です。