basho katachi jikan gokan
場 所 カタチ 時 間 五 感
生死に係わる「危険な臭い」なら誰もが本能的に回避しますが意図的にその「臭い」を想起するのは至難。「マドレーヌを浸した紅茶の匂い」から少年時代の思い出が次々と甦る」・・・M・プルーストが言うように臭いとは脳の奥底に隠された極めて個人的な原始記憶です。
 視 覚    聴 覚   味 覚   触 覚   嗅 覚 
金木犀・・・いい匂いの草花下水が普及していなかった昔は通りを歩いているとどこからか金木犀の匂いが漂って歩く人をうっとり・・・悪臭との落差かも知れません。■柚子■薔薇■プルメリア■ジャスミン■クチナシ■ジンジャー■定家葛 トリュフ・・・香しい食材黒いダイヤと呼ばれる珍味「トリュフ」松茸も同じです。キノコ類には嗅覚をうっとりさせる麻薬のような成分があるのか、単に貴重で高価だから「うっとり」するのか、嗅覚の「面子」が問われる匂いには違いありません。
蘭奢待・・・権力の香木「蘭奢待(らんじゃたい)」とは9世紀頃に奈良・正倉院に収められた香木(沈香)で足利将軍家や信長、明治天皇など限られた権力者だけが味わった・・・でも実際には50箇所も切り取った形跡があるとか。白檀も同じ仲間。 鰻屋の煙・・・脳を直撃する匂い 空腹時に鰻屋を素通りするには強い意思が必要です。仕事帰りの焼鳥屋も同様・・・ニンニクや玉ねぎを炒める匂いも強敵です。「客」の思考回路を麻痺させ店内におびき寄せる最も原始的な「うっとり兵器」でもあります。
風呂上り・・・郷愁の匂い風呂屋から出てくる浴衣姿の若い女性・・・問答無用で男を幸せにする匂いです。尤もそれはエロスと言うより、子供の頃、母親と行った銭湯の風景、ベビーパウダーの匂いのが一体となった郷愁の匂いかも・・・。 鉄と油・・・刷込まれた匂い 爆弾でやられた工場跡地に漂う鉄と油が入り混じった匂い・・・無心で遊んだ場所の記憶はその匂いによって褪せることはありません。水に放り込んだカーバイト、縁日のアセチレン、防空壕跡の饐えた匂い・・・今何処。